2期の授業で、針穴写真機を扱います。

針穴写真機は、レンズを使わないカメラで、図のように、箱に小さな穴が1つあり、外の景色が中にうつる仕組みです。像のできる位置に印画紙(写真がとれる紙)を貼っておけば、写真も撮れます。

入試でも出ますが、ほとんどの子は見たことも聞いたこともなく、「何?それ」です。以前、撮った写真があるので、見てください。少しぼんやりした、不思議な雰囲気の写真がとれます。古い記憶の中の風景のようです。

針穴写真の特徴

1.動くものが写らない

普通のレンズ付きのカメラの写真は、一瞬で撮れます。針穴写真機は、ゆっくりと印画紙に写真を焼き付けます。夏の晴れた日でも、10秒ほど時間をかけて撮ります。結果、動いているものは、写真に写りません。歩く人、走る車など、写真に写りません。無人の街が写ります。
ただ、立ち止まっている人は写ります。このときも、人の体は絶えず動いているので、ぼやけた心霊写真のようになります(左の写真)。また、止まっていた人が途中でその場を去ると、透明な人のように写ります(右の写真)。

2.すべてにピントが合う

普通のカメラは、例えば手前の花にピントを合わせると、向こうの花はボケます(左図)。しかし、針穴写真機は、近くも遠くも、同じような鮮明さで写ります。右の写真で、手前の棒も、向こうの建物も同じようなピントで写ります。

針穴写真機はどこで手に入れるの?

1.写真機を自作、現像も自力

倉橋は、これで撮りました。カメラは、空き缶の内側を黒く塗ったものです。教室の流し台の場所を、黒い暗幕でおおって暗室にして、印画紙の出し入れや現像は、そこで行いました。写真家の林敏弘氏のつくり方と同じです。→ピンホールカメラを作ってみよう

良い点
ピンホールカメラの理屈がよくわかり、現像の仕方が勉強になります。大き目の印画紙を使うことで、迫力のある写真が撮れます。缶の厚みで撮れる写真が変わり(浅いと広角になる)、自由研究などには向いています。
欠点
カメラの作成や暗室の作成などの作業が大変。また、1回の撮影ごとに印画紙を変えなければいけません。印画紙や現像液など、特殊な道具を、大きなカメラ屋さんで購入する必要もあります。

2.写真機はキットを使い、フィルムの現像はカメラ屋さんにお任せ

KING ピンホールカメラが売られています。35㎜フィルムを装着して、連続で撮れます。→KING ピンホールカメラ

良い点は、お手軽。現像も、お店にお任せで楽。欠点は、ペーパークラフトなので、強度がない。と言われています。(倉橋はこれを買ったことがないので、他の方の評価です)YouTubeなどで、KINGピンホールカメラで検索すると、作品例が出てきます。

3.デジタル一眼レフカメラを使う

インターネットで、デジタル・ピンホールで検索すると、作り方や作品例がたくさん出てきます。先述の写真家林敏弘氏も、作り方など紹介しています。→デジタル・ピンホールカメラを作って光と遊ぼう!

デジタル一眼レフがあれば、ぜひやってみましょう。